建造物における空間、壁や柱など建物の躯体などをモチーフにし、建造物と人の関係性について作品制作をしている。「Wall paper」シリーズはホームセンターでも売られている凡庸な壁紙のマチエールに鉛筆やペンキを使用し手を付け加えた作品になる。鉛筆は壁紙のマチエールを浮かび上がらせ、ペンキは何層にも重ね塗りすることにより壁紙のマチエールを消していく行為になる。
壁紙は日本の居住空間におけるもっともチープかつはがして貼り直し、更新され、廃棄されていくものである。さらに、内部空間における面積では大部分を占める。少し俯瞰して見渡してみるとパーソナルな居住空間は壁紙で包まれたあるひとつ空間になっている。
壁紙というメディウムにアプローチすることで、個人のパーソナルな空間に間接的に触れることができるのでないか。