RIE TANJI

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個展「仮設|部分」

2023年

2022年

10月15日 – 10月23日

gallery rougheryet

11:00-18:00 17日(月)休

日本の建築は風土に根差した様式が取り入れられている。亜熱帯気候の沖縄では台風や湿気が多いため住宅にコンクリートやタイルなどの頑丈な素材が使用されている。建物の躯体の壁や柱、床には簡易的な材料や本来の用途とは異なる素材を使用し、仮のオブジェクトを制作した。見慣れた景色の記憶の断片を喚起させながら、頑丈な建物でも一瞬にして壊れることがあるという日常の脆弱さをオブジェクトで可視化することを試みた。

東日本大震災による原発事故の影響で、福島には今も帰還困難区域がある。そして沖縄では本土復帰50年を迎えてもなお沖縄県本島の総面積の約14%の面積を米軍基地が占有している。両方の土地にはかつて家々が存在していましたが、追われた人々は次の定住先を探すほかなかった。

いつまでも続く当事者の不在。外在の影響を受けながら、それでもわたしたちが内在する「家」が“仮設”から立ち上がったとき、それは誰もが見たことがある共有できる「もの」から「記憶」として目の前に現れるのではないだろうかと思う。

 

 

 

Exhibition view

Exhibition view

Exhibition view

トイレの床-考える時/アクリルウレタン樹脂塗料、木材 89.5×135×15cm

ペンキを数百回塗り重ねることによりタイルを表現した。

窓‐居合わせる‐/横滑り出し窓、水、アクリルウレタン樹脂塗料 46×45×12cm

壁-よく見る-/金網、LGS 180×150、LGSサイズ可変

柱-支える-/アクリル塗料、木材、コンクリートブロック、花ブロック 265×55×65cm

柱-支える-/アクリル塗料、木材、コンクリートブロック、花ブロック 265×55×65cm

タイル水色107角 L,R/アクリルウレタン塗料樹脂、木材

タイル水色45角 L,R/アクリルウレタン塗料樹脂、木材

 

 

展示に寄せて
土屋誠一(美術批評家/沖縄県立芸術大学准教授)
2022年10月

丹治りえの作品を、建築的な風景作品と呼んでみたい。そんな誘惑にかられる。

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