RIE TANJI

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ARCUS Project 2024 in IBARAKI アーティスト・イン・レジデンスプログラム

2024年

レジデンス 2024年8月30日-11月27日

オープンスタジオ 2024年11月14日 – 11月17日

アーカススタジオ(茨城県守谷市)

茨城県にある国営ひたち海浜公園が、元は、戦後米軍に接収された軍事訓練のための基地であり、1973年に日本へ返還されたあと、市民による運動によって平和を象徴する花の公園として整備され2007年に一般公開された。沖縄にも現在、返還が予定されている米軍基地がある。それらのことを起点に、茨城と沖縄の地を重ね合わせて、沖縄の未来像をさぐるリサーチと制作プロジェクトを行った。

 

国営ひたち海浜公園に隣接する阿字ヶ浦地区の方へのインタビューや文献、現地を調べる過程で、返還には日米間の政治的な思惑、公園の北に位置する東海村の原子力研究所へ及ぼすの危険性など、複合的な要因が絡んでいることがわかった。

また、公園周辺にはその当時をうかがえるものは残っておらず、一旦区切りがつけられた歴史を見せられたようで、それは、現在も基地があり続ける沖縄との物理的、心理的距離を改めて感じさせた。

この状況を受け止めようと、沖縄の普天間飛行場の近くに住んでいるH氏の自宅写真を参考に、茨城県内のリサイクルショップやフリーマーケットを回り、似たようなモノを収集し、誰のモノだったかもわからない出所不明のオブジェクトでクローゼットを再現し撮影して壁紙にプリントした。それらは異なる地域のそれぞれのリアリティの断片とつながり、変わらない日常の風景を手がかりに、そうした「遠さ」を描きながらもとともにわたしたちの「今」を知る試みである。

壁紙にプリント、木材、土嚢   182(h)×150(w)×90(d)cm  撮影:Kato Hajime

(左)再現のもとになった写真  沖縄県宜野湾市にある普天間飛行場すぐわきに住むH氏の自宅内のクローゼット。本人撮影

 

茨城のサツマイモと沖縄の紅芋
サツマイモは16世紀に琉球に伝来し、その後薩摩へ渡りサツマイモになったとされる。現在は、未加工の芋は植物検疫を通さないと本土へは持ち込めないため検疫後に輸送し、オープンスタジオにてふかし芋にして振舞った。

 茨城と沖縄の基地の騒音に関する小中学生の作文を、作家が清書し直し混合して展示した。

 

滞在中のリサーチの様子

(左)阿字ヶ浦(元水戸射爆場の近隣地域)での住民への聞き取り (右)元水戸射爆場に落ちていた薬莢

(左から)現在の国営ひたち海浜公園、茨城県内のリサイクルショップ、資料のリサーチ、茨城県のさつまいも農家への訪問