RIE TANJI

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パビリオン構想展

2024年

2024年
11月9.10.11日

今帰仁村中央公民館(沖縄県)

展覧会website&PDF図録
https://pavilionkousou.jp/

参加作家:松尾海彦、泉川のはな、遠藤薫、丹治りえ、宮城佳久、湯浅要、貝と言葉のミュージアム

 

沖縄国際海洋博覧会が開催されてから、来年で50年が経とうとしている。かつて海洋博で提示された美しい未来の「どこか」。パビリオン建築は無くなっても、その「どこか」は沖縄に残り続ける。
海洋博で提示された青い海・青い空の沖縄のイメージは、その後の沖縄ブームから現在に至るまで楽園的な観光地としてのイメージの元になっている。
開発は、地形的な変更のみならず、風景の見え方を変更する側面もある。海洋博はきっと、本土復帰の祝祭のなかで沖縄の自然の見え方自体が変えられてしまう出来事だったのではないか。
一方、海洋博開催の同年、今帰仁村中央公民館の設計を手掛けた「象設計集団」は、建物を支える柱を乙羽岳の標高と同じ本数で設計し、山をモニュメントとして建築に取り入れた。建物単体ではなく、​​周囲の自然環境や地域の習慣も含めて、この建物の一部になるように設計したのだ。
リゾートホテルの建設現場や観光客が行き交う通りのそばで、私たちの生活や制作もその中にある。
本展覧会では、今もなお変わり続ける風景を、もう一度公民館の中に引き込むことを試みる。
展覧会構成は“蝶”のようなシンメトリー構造を採用した。
イマジナリーと現実を出入りする私たちは、再び“パビリオン”の構想を試みる。

 

―パビリオンとは、英語「pavilion」からの外来語。 pavilionは、ラテン語の「papilio(蝶)」に由来する。(参考・語源由来辞典)

 

企画:松尾海彦

 

柱 -暫定標高-

国土地理院は、令和7年度に電子基準点、三角点、水準点等の基準点の標高成果について、衛星測位を基盤とする最新の値に改定することを発表した。開発や環境の変化によって土地が変化するのと同様に、国土も常に改定されているが、築き上げた土地に対するイメージと地図との間にはズレが生じている。さらに、その変化や地図の改定(更新)を同時に見比べることは到底できず、後から実感することが多い。

1975年に象設計集団によって建てられたこの公民館には、この地域のシンボルとしての山、乙羽岳の標高と同じ本数の柱が建てられている。山の標高を建築に取り入れることにより、地域に根付いた建築を試みたともされている。しかし現在その地域では観光開発が盛んにおこなわれている現状がある。

新たに地図が描かれる前に、仮設のハリボテの柱(標高)を暫定的に置いた。

アクリルウレタン樹脂塗料、木材、海岸の砂  321(h)×50(w)×50(d)cm

 

ユートピア

東北地方の盆地で育った私は、山の向こう側には見たこともない理想郷が存在していると信じていた。この乙羽岳の向こう側にもジャングリアというテーマパークなる楽園ができるらしい。その景色を見るために、村のシンボルとされる乙羽岳の頂上にある展望台に登った。肉眼では捉えることが難しかったが、管理人が貸してくれた双眼鏡を覗き、ピントを合わせると焦点が合った。

(2024年7月1日撮影:沖縄県今帰仁村)

2024年 48秒、ループ

乙羽岳の展望台から建築中の「JUNGLIA」を見る